ちーちゃんはいつも夜10時頃に寝ていました。
小さな子にしては、ちょっと遅かったかな。
折り紙や造形をして、ご飯を食べ、お風呂に入り、お絵かきをしたり、
いつの間にか遅い時間になってしまっていました。
幼稚園に入ってからは昼寝もあまりしていなかった気がします。
昼寝と夜の睡眠はとても大事なので、十分にとるようにしてね。
(もともと小さいころから昼寝はあまりしなかったはず。
ちなみにぼくはほぼ毎日、昼食後に15分間の昼寝をしています。)
さてあなたは毎日、絵本を読んでから寝るのが習慣でした。
本棚からその日に読みたい本を自分で選んで、寝床に持ってきました。
「どれにしようかな~。
…これ、よんで!」
という具合に。
毎日、6畳の部屋に3人で川の字になって、
真ん中にいるあなたが寝るまで、
ぼくとお母さんとでそれぞれ1冊ずつ絵本を読みました。
読む絵本は、ほとんどぼくが本屋で買ってきたものです。
生まれてすぐに表参道のクレヨンハウスで絵本40冊ほどを買いました。
お店に行ったとき、店員さんにまず70~80冊を
大きなテーブルまで運んでもらい、一冊ずつ見て、買うものを選びました。
そのあとも毎月3、4冊程度を買い増して、読んできました。
自宅にはテレビを置いていないから、絵本を読む時間が多くありました。
そしてあなたは5歳にして絵本大好きの「読書家」になりました。
前に書いた通り、ふと、居間にいるあなたを見ると、
ひとりで読書に熱中しているようなことも増えてきました。
『エルマーのぼうけん』という長い物語を5日間ほどかけて、
一緒に読めるようにもなっていました。
成長したなあ、と感心したものです。
「トロールのものがたり」を覚えているかな?
アナ雪に登場する妖精のトロールをイメージして、
ぼくが勝手にこさえる、自作の物語です。
話の筋をあらかじめ準備しないで臨んだので、
だいたい途中からストーリーがよくわからなくなり、
ちーちゃんは、眠そうにしていました。
でたらめの話にしてはうまく話せることもあり、
そんなときは、たのしそうに聞いてくれたこともありました。
話はこんな感じで始まります。
「昼、おへそのなかに住んでいる寝坊助のトロール夫婦が目を覚ましました。
『あ、もうこんなじかんだ!』。
そして耳の後ろに住んでいる、
さらに寝坊助のトロールさんを起こしに出かけました。」
「同じころ、右足の親指の間で仕事をしていたトロールさんが手を休め、
左足の小指のお友だちに電話をし、週末に
一緒にピクニックにでかける計画を練り始めました。」
ちーちゃんの体のあちこちに住むトロールたちの物語です。
そして登場するトロール全員が、
たとえばちーちゃんのかわいいおでこで
一緒に夕食パーティを開催するまでに起こるいろんな出来事を語る。
そういったストーリーでした。
寝床では、毎日のようにあなたは、
ぼくと手をつないだまま、寝入っていました。
両腕を上に伸ばして、ダイノジ(大の字)になって寝ていましたね。
そのまま朝までずっとダイノジでしたよ。
そしてぼくもそのまま寝てしまうことがほとんどでした。
おかげで睡眠時間がたくさんとれました。