ちいさな洞窟

娘との日々

多摩川台公園 01

多摩川駅の改札を出て右に進むと、目の前に多摩川台公園の入口があります。こんもりと大きな古墳が形を残している古い公園です。西暦500年頃にここを拠点に活動した有力者のお墓だそうですよ。多摩川を眼下に望む、見晴らしのよい高台にあり、自然がとても豊か。夏は風通しがよく、大樹のつくる日陰もたくさんあるので、ぼくとちーちゃんにとって最もお気に入りの散歩コースであり、遊びのフィールドでした。平日はひともまばら。日曜日でもそれほど混むことがなく穴場のような公園でした。

 

この場所には思い出がほんとうにたくさん詰まっています。たこ揚げ、ラジコン、鬼ごっこ、鉄棒、ボール遊び、ブランコ、うんてい、かけっこ、階段でグリコ・チヨコレイトじゃんけん遊び、ピクニック、小さな博物館巡り、お花見…。いろんな遊びをしましたね。

 

ここでもあなたの写真をたくさん撮りました。その写真たちはグーグルフォトのネット上に保存してありますし、PCや外付けのハードディスクのなかにもあります。全部で何千枚、もしかしたら1万枚に届く数の写真があるかもしれません。一部はプリントして黄色いアルバム6、7冊に綴じ、茶箪笥のなかにしまってありますのでいつか見てね。

 

きょうは、毎年この時期に公園に咲いていた紫陽花について思い出しました。なかでも、公園入口の長く急な階段の両側に咲くたくさんの紫陽花を思い出します。茂るように咲くあじさいをかき分けるように階段を登りました。まだベビーカーや抱っこひものときから、ときにお母さんもいっしょに、青や紫、ピンクや赤色の紫陽花を眺めながら、この公園を散歩しました。花色はとても鮮やか。でも季節が暑くなるにしたがって、淡い色に、そして徐々に、くすんだ色に変化していきます。同じ年に何度も公園に通ううちに、その色味の変化に気がつきます。あなたも、花が見せるその興味深い変化を、目とからだで感じていたと思います。

 

そういえば幼稚園への通園途中にも紫陽花を育てている家があり、一緒に観察しましたね。一度、観察しているときに、かわいいテントウムシがあなたの腕に停まっていました。ちゅうどその頃、絵本でテントウムシのことを知ったちーちゃんも一緒に、「わ、テントウムシだ」って気がついて、うれしい気持ちになりましたね。