ちーちゃん、先週は東京まで遠路はるばる来てくれて、どうもありがとう。ずっと心待ちにしていた、2泊3日の実家泊。ちーちゃんも、金曜日は待ち遠しくて学校の授業が手につかなかったと言っていました。たのしい時間があっという間にすぎてしまって、ぼくはいま少しさびしい気分です。
一緒に長い時間をすごしたことで、幼稚園生から小学生に進んで成長したあなたを実感することができました。歯磨きや着替えはじょうずにできるようになり、多少重たい荷物でも手に持って移動できるようになりました。あとは食事の後かたずけや布団の出し入れなどのお手伝いができるようになるとなお良いですね。今回、ばぁばとお風呂にも入れました。ばぁばの髪を結ったり、おしゃべりに興じたり、二人はずいぶんとたのしそうな雰囲気でしたよ。ばぁばからは、スワロフスキーの指輪を3つもらいましたね。宝石に詳しいちーちゃんにもらってもらえて、ばぁばもうれしかったと思います。
今回、ちーちゃんは、ミッチーに会いにきてくれました。ダックスフントワイアドヘアーのミッチーは17歳になりました。おそらく、ちーちゃんが事前に思っていたよりもずっとおじいちゃんだと感じたのではないでしょうか。耳、目、鼻は急に衰え、歯は抜け、後ろ足を引きづるように歩いています。それでも、ちーちゃんの元気な姿に触れて、尻尾を大きく振っていましたね。以前いっしょに遊んだことを思いだしたのだろうと思います。ちーちゃんは、ミッチーの首筋から背中をやさしく撫でました。
ミッチーはぼくが27歳のときから一緒に暮らしてきました。深夜0時をすぎて会社から帰宅していたような時期にも、ミッチーは毎日かならず、暗い部屋の隅に置かれた寝床から出てきて、キッチンまで出迎えてくれました。「おかえり」というように、ぼくの足を鼻で触ってくれたことで、仕事の疲れが癒えたことを覚えています。今回のことは、もしかしたら、ミッチーがちーちゃんを東京に連れてきてくれたのかな?とも思っています。
天気が心配な3日間でしたが、予報では雨だった2日目が曇りになり、ズーラシア動物園に行くことができました。行きは電車とタクシーを乗り継いで。帰りはバスと電車に乗りました。
動物園に着いて最初に見たゾウは、ちょうど昼食の草を飼育員からもらって食べているところでした。ちーちゃんはカバンからノートを取り出し、そのゾウをスケッチし始めました。「インドゾウ」と名前を書いて完成です。ちーちゃんがこの日、見た動物を毎度、観察しつつ上手にスケッチして、名前を書いていく姿に、ぼくは感心してしまいました。記録にとることで、とても勉強になりますよね! ゾウ、トラ、ライオン(唸り声がすごかったね)、オカピ、キリン、いろんな鳥や猿たち、亀やハリネズミをスケッチする姿は学者さんのよう。動物をじっと観察する姿がとても印象的でした。
スマトラトラをすぐそばで見ることができました。意外と小型のトラなんですね。科学漫画『どっちが強い!?』で予習ができていたちーちゃんは、「あ、スマトラトラ! スマトラトラは、草むらのなかで戦うことで、ライオンにも勝てるんだよ!」と教えてくれました。
手をつないでゆっくりと動物園を巡ることができて、ぼくはほんとうにリラックスできて、たのしかったです。ちーちゃんはますます体力がついたことで、園内をたくさん歩いても、以前のようにへこたれないようになりました。それでも「抱っこ―」とせがまれて、なんどか抱っこをしましたが、26キログラム(風呂場で量りました)のあなたを抱っこするのはけっこう重かったです。
さいごに、お土産ショップで、レッサーパンダのぬいぐるみを買いました。目がかわいいので、あなたは「ひとみちゃん」と名前をつけましたね。滞在中、このぬいぐるみをずっと離さず、布団でも一緒に寝ていました。
夜は『おみせやさんでこんにちは』と同じ作者が描いた『おしゃべりさん』(リーブル)を一緒に読みましたね。読んでいるうちにいつの間にやら二人とも寝てしまったようです。
日曜日は小雨。念願のパンコントマテでランチをしました。おそらく2年ぶりくらいにここでミートソーススパゲティを食べたのではないでしょうか。あいかわらずの太麺で、おいしかったね。食後は、以前ぼくが薄い緑色のワンピースを買ったお店で靴下を買ったり、街を散策して家に帰りました。そして、帰ると、すぐに「人生ゲーム」にとりかかりました。人生ゲームはただのスゴロクではありませんね。何か惹きつけるものがあります。また一緒にやりましょう。