
●真夏の日本から冬のシドニーへ。
シドニー旅行から帰ってきて1か月が経とうとしています。Baulkham Hillsですごした時間はほんとうに貴重だったと改めて感じています。Rさんに感謝。自宅に7日間も泊めてくれ、日々の仕事があるのにも関わらず、手厚く、忍耐強く、受け入れてくれました。チャンスがあれば、いや、ぜひ機会を設けて、また一緒にシドニーに出かけられれば! そう願っています。
航空券を買ったのは2026年4月中旬。イランとアメリカとの戦争が激しくなり、ホルムズ海峡が封鎖されるなどして原油不足が叫ばれるなか、果たしてこの夏に、海外旅行などできるのだろうかと不安でした。いまも、ホルムズ海峡は相変わらずで世界情勢は不安定のままですが、でも無事に旅行することができて、ほんとうによかった。父さんは、本当にたのしく、充実した休暇をすごすことができたと感じています。
Rさんだけでなく、Rさんの家族、町であいさつを交わした人々、シドニーという町から、多くを学んだ旅行でした。ちーちゃんは、思春期に突入していて、話さずに黙ってしまうこともありましたが、でもそれと同じくらい、ちーちゃんはいろいろな感情をおもてにだして、海外の風を大いに感じてハッスルしたり、料理や景色、そして動物の写真を撮ったり、笑顔をたくさん見ることができました。ちーちゃんもまた、シドニーでの滞在をたのしんで、目新しい数々の出来事を味わっていたに違いありません。手に入れた多くの経験が、ちーちゃんの今後に陰に陽に生きたり、将来に何かを残すことになればいいなと親目線では思っています。
数々の出来事が思い出されます。行きの成田空港では、父さんはちーちゃんに教えられて、かわいい人形が並ぶPOP MARTを知りました。たこ焼きスタンドで腹ごしらえしてからカンタスの夜便に乗り、計12時間を超えるフライト。ちーちゃんはマリオの映画を観るなどして辛抱強く長時間のフライトに耐えました(帰りはズートピアを観ていました)。
ブリスベンでのトランジットは予定通りいきませんでした。税関の機械上にパスポートが置いたままになったことが原因のようですが、対人であれば生じないか、まったく問題にならないようなことが機械相手だと起こってしまい、また一度トラブルが起きると、処理をするのに、より時間がかかってしまう、ということの典型だったように感じます。ビザや航空券などのデジタル化は総じて便利だと思いますが、事前申請なども気が抜けなくて面倒ですし…。ちーちゃんは税関で、オージーの係員に助けてもらってなんとか入国できました。書類への書き方などを丁寧に教えてくださったようで、親切なスタッフさんでラッキーでした。父さんはすでに入国ゲートをくぐっていたので、3メートル先にいるちーちゃんを助けられず……。冷や汗をかきましたが、これもまた経験になりました。税関で時間を費やしたことで予定の飛行機に乗れませんでしたが、空港内をぐるぐるして、なんとか1時間後に発つ次の飛行機の最後列に空席を見つけることができました(同じように遅れた日本人が数人いましたね)。隣の座席に座った大きな青年(クリスさん)に話しかけると、シアトルから来たラグビーの選手で、初めてのオーストラリアには試合をするために来たそうです。地元のシアトルでは山火事が頻発しているそうで、彼は、山間に住んでいる両親を心配していました。他の客の荷物持ちを手伝う、明るく気のいい青年で、こちらまで元気をもらいました。予定通りいかなかったことで逆に得ることができた幸運でした。
仕事の合間をぬってRさんがシドニー空港まで迎えに来てくれました。長旅のあとに知った顔をみると、ホッとしますね。ありがとう。1時間ほどのドライブのあと、Rさんの自宅に到着すると、そこがあまりにも素敵な家だったので、ちーちゃんも父さんも目も丸くして驚くことになりました(^^) 家は「静かで緑豊かな住宅街に佇む」といった表現がぴったりで、家がもう2棟ほども建ちそうなほど広い庭ではオリーブやオレンジの木が植えられています。キッチンやリビングも広々していて部屋はちーちゃんと私とで別々にあてがわれました。バスルームはホテルのようで、われわれのこころは浮き立ちました。清潔好きなちーちゃんは、さぞかし安心もしたことでしょう。

今回、父さんは、Rさんが家のなかをしっかりと整理整頓していることや、週2日のリモートワークを取り入れるなどした仕事のスタイルに、感銘を受けました。父さんは無意識にも影響を受けたようで、帰国後、もう1か月も部屋の片づけを続けています。Rさんはまた、毎日、同僚と電話で連絡を取ったり、朝は6時台に家を出発するなど、仕事をハードにこなしていたようなので正直、驚きました。こちらのほうには特に影響は受けていないようですが…。


●ニューサウスウェールズ州立美術館。


翌朝、ショッピングセンター「Grove」の前から、慣れないバスにふたりで乗って、ニューサウスウェールズ州立美術館を訪ねました。新館と本館、それぞれを巡り、半日ほどを過ごしました。これまで美術館や博物館を何度も一緒に訪ねてきましたが、今回、ちーちゃんはこれまでで最も集中して、率先して、作品たちを眺め、広大で風変り(?)な建築物の中で、その雰囲気をたのしんでいたように思います。何か心境に変化があったのでしょうか。広々とした館内で、常設のピカソやゴッホなどの有名作家の作品を見て、特別展のインド美術の作品群もゆっくり鑑賞しました。インドと欧州の作品が対比的で、その価値観の違いが印象に残りました。館内に食事がとれそうなカフェを見つけたのでランチをしようとメニューを見ると、「(げ、高い…)」。父さんは動揺から身じろいでしまったようで、それを見たちーちゃんも「ここじゃなくていいよ~」と消極的でした。しかたなく美術館を出ると、向かいの大きな公園の入り口付近にカフェを見つけたので、そこで(たしか)キッシュやパンを食べることに。テラスで食べていると、トキでしょうか、白い体に黒い頭の鳥が近づいてきて困りましたね。でも、すがすがしい天気のもと、開放的な屋外で、おいしいランチを食べることができました。今にして思えば、とても贅沢な時間でした。建築家の妹島和世氏が設計したという新館(増築棟)でたくさんの作品を眺めたあと、美術館を背景に、公園から吹く清々しい風を感じながら、二人で食べたランチでしたから。それは、またとない時間。いまさらながらに気がつくのです。

●イタリア料理を堪能。
二日目の夜は、仕事後のRさんとMartin Placeで待ち合わせて、Circular Quayまで歩きました。冬のシドニーは街を散策するのにちょうどよい気候で、滞在中はおおむね天気にも恵まれました。



オレンジ色に照らされたハーバーブリッジやオペラハウスの夜景を眺めてから、仕事がはけたビジネスマンや地元の人々でにぎわうイタリア料理屋で夕食となりました。アンチョビピザが皿から出るほど大きくて、おいしかったね~。Rさんはワイン、ちーちゃんはコーラだったかな? 父さんはウイスキーソーダ(店員さんに二度聞かれた。珍しいのかな)。みなで乾杯をすることができました。イタリアンといえば、パラマタでRさんの家族の皆さんと食べたパスタやピザも絶品でしたね。なんでもこの店のマルゲリータピザは世界一の称号を持っているとか。たのしく愉快なパーティでした。Rさんのお父さんは膝の手術明けのリハビリで、残念ながら来られませんでしたが、Rさんのお母さまやお姉さん、身長190センチを超える甥っ子さんが来てくれました。
●バスがパンクして夜の高速道路で待ちぼうけ。
さて、Circular Quayでの3人の夕食のあと、バスに乗って帰る途中にハプニングがありました。しばらく乗っているとバスの後方部から車体を何かで打ち付けるような音が継続して聞こえてきました。ダウンタウンから市街地を走り、ハイウェイに乗るころには音はだいぶ激しくなってきていました。ちーちゃんはヘッドフォンで音楽を聴いていたので気づいていませんでしたが、いよいよバスが路肩で停車して運転手が外に確認のため出たころに、何事かと気づきました(もし一人で外にいるときはヘッドフォンは危ないからやめようね)。結局、タイヤのパンクだったらしく、そのまま、代替のバスが来るまで、路肩に停止した車内で待つことになりました。運転手は電話で、わりと強い口調で話しています。相手は司令部でしょうか。乗客は10人ほど。みんな落ち着いてスマホなどをいじっているのでパンクは日常茶飯事なのかと思っていると、後ろの席に座っている女性が「10年以上、ここに住んでるけど、こんなことは初めてですよ。」などと、初めて知り合った隣のひとに話しかけていました。ふたりはしばらく話し続けて、仕事や趣味のことなどを話し合っているのが聞こえてきました。その後、やってきたバスに乗り換えてなんとか帰宅できましたが、だいぶ遅い時間になってしまいました。ちーちゃんは先にシャワーを浴びて自室に入っていきました。
●おいしいフィッシュアンドチップスとの出会い──ハーバーブリッジからKirribilliへ。
その日は、バスで到着した町の中心部から歩いてハーバーブリッジを渡ることにしました。「フィッシュアンドチップスのおいしい店があるそうだよ?」と、歩くことに気乗りしないちーちゃんのモチベーションを高めて、たしか1時間ほどの道のりでした。途中、ロックス地区の画材屋(Parkers fineart supplys)に立ち寄り、そのあと高架下から眺めた、コンクリートの巨大な橋下の眺めに、ふたりで感嘆しました。

グーグルマップに頼って歩いていたのですが、そのあとどうしても橋上の歩道に登る入り口が見つかりません。ウロウロしていたところ、地元の方らしい女性に親切にも声をかけていただき道順を丁寧に教えてもらいました。快晴の空のもと、橋の上から眺めた港の景色は素晴らしかったですね。歩道を歩いているひとはそれほど多くはありませんでしたが、市民ランナーがたのしそうに走っているのが印象的でした。



橋を渡り終えると、そこはKirribilliの町でした。早速、お目当てのお店Kirribilli Seafoodsへ。地味な外観の店でしたが、結果、ここのフィッシュアンドチップスは大正解。地元の中学生たちが、まるで放課後にマックに立ち寄るような感じでお店にやってきていました。学生たちに交じって、テラス席でおいしいランチとなりました。最初、メニュー(文字だけで写真はない)を見ても、いろんな商品があるようで、どんな料理があるのかイメージできませんでしたが、「人気のものは何ですか?」などとなんとか店員とやりとりして(シドニーで一番、英会話で困ったシーン)、なんとかバラマンディとホキのフィッシュアンドチップスを注文することができました。受付の男性に注文したあと同じ男性が目の前のキッチンでハンバーガーを作り始めたので、あれれ伝わらなかったか!? と焦りましたが(^_^;) バラマンディは初めて食べましたが身は引きしまって、かつジューシーな白身魚。国内産と輸入物とで価格に10ドルほどの違いがありましたが、せっかくなので国内産をオーダーしました。ホキを食べたちーちゃんも満足そう。嘉手納で食べているフィッシュアンドチップとはまた違った味わいでしたね。ところで今回、日本から持っていって良かったものはウェットティッシュです。テラス席はだいたい汚れていたので、テーブルや席を一緒に拭くなどして活躍しました。ちーちゃんも汚れはけっこう気にしていて、後述しますがトイレの問題もありました。さてKirribilliでは散策もそこそに帰宅の途につくことに。帰りのハーバーブリッジは電車に乗って渡り、橋から眺めた夕日がまたきれいなのでした。

●カフェで朝食。
シドニーにいる間、夜は自や室で日本の友だちと繋がって、おしゃべりに興じて夜更かししていたちーちゃん。持ってきたタブレットで、友だちといっしょにゲームしたり、絵を描いたりしていたようです。翌朝はのんびり午前11時すぎの起床でした。父さんはその朝の時間を使って、2日間、近所をジョギングしました。あたりには緑豊かな公園がたくさんあり、そんな素敵な公園や、住宅街をジョギングするのは至福の時間なのでした。いい感じの建物や手入れの行き届いた庭も多く、それを眺めるのもとてもたのしい。歩道で出会うひとや同じく走っているひととは挨拶するのが普通で、それは海外ならではのことなのでした。滞在中、一度だけですが、それらの近所の大きな公園を、ちーちゃんと散歩できたのも、たのしかったです。



さて、ベッドから起きてきたちーちゃんは、エンジンがかかるまでさらに時間を要しましたが、この日、ぼんやりした状態のままのちーちゃんを、Rさんが、Remy’s caféという韓国人の経営する店に、朝食というかランチというか、車で連れていってくれました。雰囲気のよい店でしたね。飲み物やオムレツ、パン、サーモンなど、どれもおいしく、滞在最終日に3人で再訪して朝食を食べました。

●動物たちがこんなに近くに! FEATHERDALE SYDNEY WILDLIFE PARK。
週末のこの日、仕事が休みのRさんが車でブルーマウンテンズまで連れていってくれました。残念ながら雨でしたので、霧のかかった山の眺望はありませんでしたが、商店が集う区画でランチを食べ、チョコレートをお土産に買うなどして、帰路につきました。さて、この帰り道にRさんの案で立ち寄ったFEATHERDALE SYDNEY WILDLIFE PARKが、もしかしたらこの旅行のハイライトかもしれません。ちーちゃんがもっともたのしそうにしていた時間です。


のんびりとした空気の流れる園内には、たくさんの動物がいました。放し飼いの動物も多いです。小さめのカンガルー、クオッカワラビー、コアラ、ロバ、見たことのない鳥たち、小さなペンギンなどなどを見て回りました。自然のなかで傷ついた動物を保護する役割ももった動物園のようです。ちーちゃんとはあちこちの動物園を訪ねて回りましたが、これほど近い距離で動物たちに触れあえる場所は初めてです。クオッカワラビーが特にかわいかったようで、併設のお土産屋さんでぬいぐるみを買って帰りました(ここで日本の友だちへのお土産もいくつか購入)。
ところで思想家のロラン・バルトの著作に「プンクトゥム」という概念について書いてあります。予期された感動である「ストゥディウム」とは違って、文脈なしに突然、自分に刺さる何か。旅行に出るとそういうものに出会えますよね。予想外に自分が反応してしまうもの。プンクトゥムは「動的」で、ストゥディウムは「静的」な感動、という対比もできるかもしれません。いじらしいほどかわいい動物たちに、FEATHERDALEで、ばったりと出会ってしまったちーちゃんが居たように思います。
それと関係するかもしれないけれど、旅行をあとで思い返すと、どうということのないシーンが思い出されたりしませんか? ちーちゃんと父さんのこの旅行の思い出のシーンはだいぶ異なるはず。シドニーでいつか印象に残ったことを、数年後、改めて聞いてみたいです。
●英語での買い物。
ところでちーちゃんが英語で話すシーンは多くはありませんでしたが、一度、がんばって一人でレジに並んで買い物ができました。近所のショッピングモールGroveの雑貨屋でいい感じの青いポシェットを見つけたときです。レジで袋はいるかと聞かれ、元気よく「Yes, please!」と答えることができました! 日本と同じようにスーパーなどでは無人レジを使いましたが、対人のレジもまだまだ多くありました。人と話すことは旅行のひとつの醍醐味ですので、機械レジが今後増えていくとすれば、人と話すこと、外国語を話す機会が少なくなり、それは正直、父さんにとっては残念なことです。今回は、店員さんたちとやり取りできる機会が多くあったのでよかったです。

旅行中に、「英語が聞きとれない…。先生は(生徒向けに)ゆっくり話してくれてたんだ…」と力なく漏らしていたちーちゃん。でも、それを感じとれたことが今回の海外旅行での大きな収穫です。現地で話される英語は速くて単語も難しくて、ネイティブ以外はみんなだいたい苦労していると聞きます。毎日少しでよいから、一歩一歩、努力を続けていけば展望が開けてくるはず。がんばってみてね。ちーちゃんは観察する力があることで、文脈や状況を把握するのがとても上手だから全然大丈夫です。
●郷土の味。
Rさんのお母さんが、わたしたちの夕食や朝食にと作ってくださった、ほうれん草や、ひき肉のパイ、やわらかいとり肉の料理、ヨーグルト、漬物……。本当に味わい深かったです。郷土の豊かな伝統の味を堪能しました。どうもありがとうございました。



Rさんのお父さんは膝のリハビリのため入院しており会うことができませんでした。一度、オンラインでちーちゃんと話したとき、ちーちゃんが画面に入るなり「Beautiful!!」と言ってくださり、ちーちゃんはとても照れていましたね笑。Rさんのお父さんは養蜂家でもあります。いただいた自家製ハチミツを現地で食べてとても気に入ったちーちゃん。こんど直接お礼を言えるといいですね。ちーちゃんは、お土産のおいしすぎるハチミツを浜松の祖母や母にたくさん食べられてしまうことを心配していました(自分の分を確保しなければいけない、と言っていました 笑)。

●シドニーCBD散策。
以下、写真を中心に、シドニーの中心街(CBD)散策のようすを書きます。

オーストラリアでもなかなか外のトイレに行きたがらない問題がちーちゃんに生じていました。上の画像にある中国?台湾?料理屋で、食後、先にトイレに入った父さんはちーちゃんに「ここのトイレは(衛生的に)大丈夫だ」と伝えたことで、ちーちゃんは入っていったのですが、その後トイレから出てきたちーちゃんは半べそをかいていました。そして、全然きれいじゃないじゃん!と怒られてしまいました…。ちーちゃんの基準ではだめだったのです。めんご、めんご。トイレ問題は海外で父さんにとっても課題です。ある程度は慣れるけれどもね




●思い出。


さて改めて、Rさんにいろいろと助けてもらった旅行でした。おかげで父さんにとってはこれ以上ない、すてきな旅行になりました。ちーちゃんはどうだった? 1週間はあっという間だったでしょう? Rさんとは、いつか日本でも、上高地などで山登りができたらいいなあと話しています。ちーちゃんも一緒に山に行けたらと父さんは夢見ています。











































