ちいさな洞窟

娘との日々

熱中する姿

「あ、ちーちゃんはもう、土台ができているんだ。

しっかりひとりの、確固たる人間としての

階段を登りはじめているんだ、すごい!」

と思いました。

 

2019年9月、暑い屋外を避け、

平和島にある室内アスレチック場「トンデミ」にふたりで出かけました。

競艇場の奥にある大きなビルにあるアスレチック場。

平和島にそんなに楽しい場所があるなんて知りませんでした。

 

一人ひとり正方形に仕切られたトランポリンでひたすら思いっきり跳ね、

ちょっと難度の高いボルタリングで上まで登って楽しみました。

 

なかでも難しそうなロープウォーク Sky Trailと言うアスレチックに、

あたなはひとり、トライしました。

スタッフに手伝ってもらい安全帯とヘルメットを着けて、ハーネスまで装着しました。

 

「ちょっと難しいかなあ」と思いましたが、あなたはやる気のようです。

まわりはあなたより年長にみえる子どもや、大人ばかりです。

 

高所に張り巡らされたロープを伝って、あなたはがんばって前に進んでいきます。

ぼくは柵の外で、上を歩くあなたを遠目から眺めるばかり。

ヒヤヒヤしました。「やらせるんじゃなかった」と思ってしまいました。

 

そして、途中、どうしても進めなくなってしまいました。

前にしか進めない、後戻りができない構造です。

 

最後はスタッフに頼んで、入口まで戻してもらいました。

ふつうは怖がって泣いてしまうような場面です。

でも、ぼくのところに戻ってきたあなたはケロッと、泰然としていた。

 なぜ先に進めなかったのかを、しっかりぼくに説明してくれました。

 

 「からだが、ちいさくて、あしがとどかなかったのよ」と、そう言いました。

そのときに僕は冒頭のように「すごい」と思ったんです。

 

そのあとは、下の階にあるカート場でレーシングを楽しみました。

高所でロープを歩く冒険を経たあとは、

ずっと子どもらしく、延々と、カートのペダルを漕いで、

ハンドルを右に左に運転しました。

 

けっこうスピードが出ていましたね。

健脚ちーちゃんは、足の筋肉がすごいもんね。 

 

ずーっと飽きずにドライブしているちーちゃんを

なんだかホッとして眺めました。

 

そしてあなたの、あそびに果敢に挑む勇気と、

熱中する姿がとてもすてきだと思いました。

 

そういえば、公園でターザンロープをするときも同じように

飽きずに延々とやりましたね。

その話はまた今度しましょう。

 

あなたが遊んでいるのをいるのを眺めるのは

ぼくにとってもたのしい時間です。

あなたが遊びに熱中する姿はほんとうに素敵ですから。 

 

アスレチック場を出たあとは、出口の向かいにあるレストランで、

ミートソーススパゲティを食べたような気がします。

ぼくはシラス丼だったかな。

ボートレースを中継するテレビがあって、

競艇の新聞をみながら食事をしている人がたくさんいましたね。

帰りはバスに乗って大井町駅まで寝て帰ったように記憶しています。