ちいさな洞窟

娘との日々

あなたは、あなた。

10月に会ったとき、ちーちゃんは、唐突に、「名字が変わるのがイヤだなー。だって似合わないと思わない?」と聞いてきました。突然のことにぼくは(ばぁばも)驚いて、何も言うことができませんでした。

 

そして先月11月、あなたはぼくに会うと間もなく、「名字が変わるのがイヤだ」と繰り返しました。ぼくはあなたに「たとえ名字が変わっても、ちーちゃんはちーちゃんのまま。実際は何も変わらないから、なにも心配いらないよ」と伝えました。あなたは少し安心したように見えましたが、同時に納得がいかない表情をしているようにも見えました。ぼくも、自分が伝えたことをあなたがすべて了解し、合点するとは思っていません。ぼくにはあなたの気持ちをすべて酌むことが、いま、できないでいます。とても不甲斐ない気持ちです。

 

それでも、「ちーちゃんは、ちーちゃんのままだ」、これはほんとうです。何があっても、あなたは、あなたなのです。唯一無二の、お父さんの娘。どうか心に留めておいてほしいと思っています。