ちいさな洞窟

娘との日々

予防接種

ちーちゃんが生まれると、

それまで知らなかった様々なことを

知る機会が、ぼくに、おとずれました。

 

それまで自分の生活に関係がないために知らなかったこと。

まったく気に留めなかったこと。

そういったことを勉強する機会を得たのです。

(子育てはそれまで知らなかった世界に触れるチャンスです。

いろいろ経験できるということ自体がとても楽しいことです。)

 

そのうちの一つが「予防接種」です。

 

生後2か月目には予防接種が始まると聞き、

ワタワタと、あわてて調べ始めました。

 

クスリには副作用があるという前提で

それまでの人生でつきあってきたぼくですから、

ワクチン接種にも何かリスクがあるだろうと、

とても心配でした。

 

ロタ、ヒブ、肺炎球菌、DPT-IPVってなに?

不活化ワクチンと生ワクチンのちがいは?

公費負担の「定期接種」でない「任意接種」を受ける必要は?

そもそも予防接種ってほんとうに必要なの?

ぼくのころはこんなにたくさん接種しなかったぞ?

 

いきなり4つのワクチンを「同時接種」するらしい。

そんなにたくさんの種類のワクチンを、

同時に打って安全性に問題はないのか?

こんなに小さなぼくの赤ちゃんに?

 

などなど、心配は尽きません。

小児科医が書いたワクチンの本を読んだり、

インターネットを調べたり、

信頼できそうな知人に確認したりしました。

 

インターネットには、

予防接種を一切受けなかった家庭の子の話や、

リスクはあるけれども必要と考える医者のコメント、

予防接種は当然すべき前提であるとする専門家など、

さまざまな考え方が載っていました。

 

限られた時間で調べられたことは多くありません。

結局、ぼくは予防接種のリスクを受けいれることにしました。

 

いまでは、この種のことは、

絶対に安全だという「確信を得る」ことは

そもそも不可能なのだと思っています。

つまり「接種する」「接種しない」のどちらかを選ぶしかないのでした。

そしてぼくは「接種する」ことに決定し、お母さんに話しました。

 

記録をみると、2017年8月までに10回、

近所のキッズクリニックに出向きました。

そして約9種ほどのワクチンを数回にわたって接種しました。

 

生後2か月目に、まず4種類のワクチンの「同時接種」。

ちーちゃんは、もちろん、泣きました。

お母さんや看護婦さん、お医者さん、そしてぼく、

みんなで慰めましたよ。


続けてB型肝炎の1回目。

それぞれを合計3回か4回受けるスケジュールを組み、

クリニックを予約していきました。

(ちなみにぼくはそういったスケジュール管理はわりと得意です。)

 

驚いたのは、ワクチンの値段が病院ごとに違ううえに、

値段表を各々の病院があまり公開していないことです。

でもだからといって安い病院を探して、掛かったりはしません。

かかりつけ医に掛かるのが一番安全なはずです。 

 

毎回、(持っていれば)区発行の定期接種無料チケットや

母子手帳、保険証、乳幼児医療証、そして多めに現金をもって、

クリニックに行きました。

 

スケジュールを組む際にちょっとした問題も起きました。

「四種混合」の4回目を接種しようと思っていた頃です。

ワクチン製造メーカーの「化血研」は、

国の承認を得ていない製造工程でワクチンを作っていた

との報道をたまたま目にしました。

(実際に出荷停止されました。)

 

いつものクリニックに確認すると、
そこで使っているワクチンはまさに化血研のものでした。

 

一連の接種をすでに3回受けていて今回4回目ですが、
いきなり他社製のワクチンを打って問題がないのかどうか?

これを医者に確認したところ、

他社製(阪大微研)でも問題ないだろうということで、

2015年12月、接種しました。

 

またこんなこともありました。
2015年の暮れ、すでに接種した「MRワクチン」の1回目の

「力価」(ワクチンの効果)が承認規格値を満たしていない

可能性があるという報道を新聞で目にしました。

これは北里第一三共社製。

力価が本当に低い場合、再接種をしたいとぼくは考え、

行政の方針がでるのを待っていました。

結局、接種したワクチンのロット番号を医者に確認してもらい、

承認規格値を満たしている製品(ロット)だということでした。

 

そのあとは、水ぼうそう日本脳炎

いま話題のBCG(新型コロナウイルスに効果あり?)などを終え、

接種スケジュールの波がだいたい去ったころには

とてもホッとしたことを記憶しています。

 

ちーちゃんは、予防接種を毎回、いやがりつつも、

ぼくの膝のうえでガマンしていましたよ。

泣きながらも耐えていました。

(怖いよね~、ハリが肌にささるなんて。)

 

いつどのようなワクチンを接種したかは

母子手帳にすべて記録されています。

ぼくの記録にもあります。

もし心配になることがあったら遠慮なく聞いてね。