ちいさな洞窟

娘との日々

におい

ちーちゃんからはいつも、いいにおいがします。着ている服の洗剤の香りではありません。あなたそのもののにおいです。

 

ぼくは、あなたを抱っこしたときや、あなたが寝ているときに、ときどき顔を近づけて、大きく息を吸い込みました。「あー、いいにおい」。なんでこんなに良いにおいがするんだろうと不思議に思うくらいでした。同じように、お母さんもときどきちーちゃんのにおいをかいでいましたね。

 

あなたが赤ちゃんのころは、日に何度も、あなたに鼻をあててみました。もし「innocence」「pureness」という言葉に香りがあるのだとしたら、ちーちゃんのそのにおいのことだと思います。

 

ところであなたが赤ちゃんのころ、頭頂部に薄いかさぶたがしばらく取れずにありました。無理にはがしてはいけないそうなので放置していましたが、この頭頂部からは、ちょっと香ばしいようなにおいがしました。何かを焦がしたような、癖になるにおいというか、うーん、どんなにおいかを説明するのは難しいですね。あえてたとえれば、焦げたお餅のような? からだからはココナッツの香り。頭は焦げたお餅のにおいです。 

 

写真は『くんくん、いいにおい』(たしろちさと 絵)です。2~3歳のころ、もっとも頻繁に読んだ本のうちの一冊です。ケーキのにおい、洗濯物の香り、サンマを焼くにおいなど、一緒に想像しながら読みましたね。排気ガスや犬のうんちなど、くさいにおいの絵もありました。

 

そういえば、ぼくがオナラをすると、ちーちゃんはぼくの背後に回って、においをかぎましたね。ぼくも、しかえししました。やややっ(笑)

 

 

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絵本『くんくん、いいにおい』。この絵のパンからは、ほんとうに、やきたてのいいにおいがしてきそう。