ちいさな洞窟

娘との日々

電気が消せなくて。

電気が消せなくて

直島に着いた最初の夜、ちーちゃんはおそくまで宿の部屋のテーブルで漫画を読んでいました。チャールズ・M・シュルツマリー・アントワネットの伝記です。ぼくはベッドに横になっていましたが、いつの間にか寝てしまったようです。さいごまで本を読み終わったちーちゃんは、ぼくを起こそうと、ぼくの体をユサユサと揺らしたようです。でも、ぼくは起きません。

ちーちゃんは寝るまえに部屋の電気を消したかったのですが、部屋の玄関の隅にあるスイッチまで怖くて行けないのでした。ちーちゃんは消灯するのを諦めてベッドに横になりました。

そのときぼくはぼんやりする頭で、隣のベッドでシクシクと泣いている(T_T)ちーちゃんを見ました。「ちーちゃんが泣いてる」。完全に目が覚めたぼくは、ベッドから起きて電気を消し、泣いているちーちゃんの横に座り、しばらく肩をかるくトントンしました。赤ちゃんのときによくやったように、鼓動のリズムでトントンと、寝かしつけるように。ちーちゃんはほんの2~3分で寝てしまい、ぼくもそのあとは記憶がありません。すぐに寝てしまったようです。

 

Tiffany

次の日。家プロジェクトの鑑賞がおわり夕食の買い出しをしにスーパーに立ち寄りました。店先にいたスイスから来た方々とおしゃべりをしましたが、そのときちーちゃんは英語で自己紹介をしました。ちーちゃんの名前がよく聞き取れないので、何度か名前を繰り返すうちに、「ああ、あなたは Tiffany なのね?!」と言われました。

Tiffany」。あとであらためて声に出してみると、たしかに音が似ているかもしれません。海外に出かけたとき、ちーちゃんはTiffanyという名前になってみるのも一案かもしれませんね。さいご、そのスイスの方に、スーパーで抹茶味のアイスをごちそうしてもらい、お返しに、夕食時に食べようと買ってあった抹茶味のポッキーをさしあげて、喜ばれました。ただ、椅子に座ってゲームをしている彼らの子どもたち(中学生くらい?)は、抹茶味は苦くて食べられないということでした。