おふろで過ごす時間は親子にとって貴重なものだ、
とよく言いますが、ほんとうにそう思います。
家のおふろは小さなものでしたが、
ちーちゃんとの思い出がたくさん詰まっています。
赤ちゃんのころ、あなたはぼくやお母さんの腕に抱えられて、
沐浴といって、ベビーバスでお湯につかったり、シャワーを浴びたりしました。
首が座っておらず、頭もふにゃふにゃで、こわれそうなほど柔らかくて小さい。
あなたをおふろに入れるのは、最初、怖かったです。
あなたは水を頭からかぶるのが大嫌いで、
赤ちゃんのときは結局、ぼくは頭からお湯をかけることができませんでした。
だってすごい勢いで泣き出すんだもの!
大きくなってからも、頭からシャワーを浴びるのが苦手なのは、
このころの影響があるかもしれませんね。
頭からシャワーを浴びることに慣れておけばよかったかなと思ったりします。
ところであなたの後頭部はいわゆる絶壁ですね。
ぼくも絶壁頭です。
頭を撫でるたび「ちーちゃんはお父さんの子だあ」としみじみしたものです。
ぼくのおじいさん(ばぁばのおとうさん)も、同じような絶壁頭でした。
親子代々つながっているこの頭を誇らしく思っています。
幼いころは湿疹や汗疹がよく出たので、お母さんといっしょに心配しました。
入浴後に保湿クリームを塗ることは、お母さんががんばっていました。
ぼくは肌を健やかに保つにはどうすればよいかを調べたりしました。
ちなみに、あなたが生まれた病院では「ドライテクニック(胎脂保護法)」を
採用していて、生まれてからしばらくは沐浴させず、
皮膚の脂を取り除かないようにしました。
皮膚バリアを保つので赤ちゃんを細菌から守り、肌にもよいそうです。
おふろのなかでは、歌をうたいました。
「主よ、ひとの望みの喜びよ」を毎回うたって聴かせました。
あなたは、おふろのなかで、ウトウトしたこともあったかな。
大きくなってからは、いっしょに数をかぞえたり、
その日のことを報告しあったりと、おしゃべりタイムになりました。
ちーちゃんはおしゃべり大好き。
ずっと話していました。
自分で洗面器からお湯を手ですくって顔を洗えるようになったのは、
幼稚園生になってからだったかな。
「3回、洗ってみようか」
「うん、わかった!」
がんばって洗いましたね。
幼稚園生になる頃には、入浴後、ぼくが
ドライヤーであなたの髪を乾かすようになりました。
知ってのとおり、ぼくには髪が生えていません。
だからあなたの長くてサラサラの髪がうらやましく、
ドライヤーをあてて乾かす15分ほどの時間が、とても楽しかった。
2016年5月15日、初めて髪全体をカットしたのも、おふろばです。
事前にYouTubeで切り方を予習してから臨みました。
所要時間は5分間ほど。あたなは嫌がらず、パパ床屋はスムースでした。
それからは定期的に、おふろ場で前髪を切りましたね。
また切ってあげたいな、あなたの前髪を。