ちいさな洞窟

娘との日々

プラネタリウム

2018年と2019年の夏は、ぼくでさえそれまで経験したことのない暑さでした。

ちーちゃんは暑さには強いようで、意外にぼくより平気な顔をしていましたが、

日中は40度近くになることもあり、夕方になってからでさえ、

あなたと屋外で遊ぶと、熱中症になりはしないかと心配でした。

 

そこで、暑い日差しを避けて、どこか室内ですずしく過ごせるような

場所はないかなあと、いろいろ調べて、出かけました。

 

そのなかの一つに、プラネタリウムがあります。

府中市にあるプラネタリウムが、ちょうど2018年に改装し、

1億個もの星を投影できる投映機を新たに導入したという新聞記事を見つけ、

さっそくふたりで出かけました。

古い投影機は、たしか10万個程度の星を投影する能力でしたから、

1億個の星が輝く星空というのはどれほど鮮やかなのかと思い、

ふたりで楽しみにして向かいました。

 

最初の訪問は2018年8月です。

分倍河原駅からバスで向かったそのプラネタリウムは広大な公園のなかにありました。

 

暗い場所を怖がるあなたは、はじめ、プラネタリウムも恐れていたように

思いますが、すぐに慣れ、上空に見える天の川の星々に見とれていました。

 

解説してくれる若いアナウンサーがとても上手で、

一つひとつの星にまつわる物語に、ぼくたちは引き込まれていきました。

 

星座や宇宙について、たくさん知ることができましたね。

春の大三角形を初めて知ったのもこのときです。

北斗七星は、おおぐま座のしっぽの部分だとか、

火星とアンタレスはどちらも赤く輝いていて似ているとか、

その火星は地球に近づいているという話もありました。

 

帰りには、そのプラネタリウムの建物内にある喫茶店

オレンジジュースを飲んだように記憶しています。

 

2019年3月17日にも訪ねて、この日も、投影された星空をたのしみました。

前回とはまた違ったプログラムでしたが、くわしい内容は忘れました。

なにか覚えているかな。

(ちーちゃん、座席でオナラをしなかった?)

 

公園は広大で、この日は梅林を散策しました。

赤や白の花びらが散りかけていたけど、

あんなにたくさんの梅の木を見たのはぼくも初めてです。

芝生にシートを敷いて、昼ご飯を食べましたね。

食べたのは、あなたのお気に入りの、権兵衛のツナおにぎりかも

(武蔵小杉の駅ナカでよく買っていました)。

 

昭和初期の建物群があり、中にひな壇が飾ってあったので、それを眺めたり、

大きな水車が動いているのを見たりしました。

あなたが撮ってくれたぼくの写真があります。梅の木をバックにした写真です。

ちーちゃんのかわいい指も写っていますね。

 

2019年8月には、渋谷駅から歩いたところにあるコスモプラネタリウムに行きました。

予約していったので、空がよく見える後ろの特等席に座ることができました。

この日のプログラムはストーリー仕立てで子どもにはむずかしい内容でしたが、

星にも誕生と終わり(死)があることをあなたは学んでいました。

 

ところで屋外でも星空を眺めたことがあります。

2017年9月には、八ヶ岳ロイヤルホテルの屋上にある天体望遠鏡で星をみました。

あいにくの曇り空でよく見えませんでしたが。

 

2019年6月には、奥日光で泊まったホテル(休暇村日光湯元)が主催する

屋外の星空観察会に参加しました。

この星空観察会はすばらしかった!

 

その日はずっと雨模様でしたが、ホテルから歩いて暗い場所に移動するうちに、

雲がすべてなくなり、いっきに晴れました。

 

ぼくたちは満天の星空を眺めることができました。

お母さん、ぼくのばぁば、ぼく、そしてあなたの4人、

みんなこの星空を心に刻んだことと思います。

 

ここで解説してくれたお兄さん(ホテルのフロント係)もとても上手でした。

レーザーポインターで、あなたの知っている北斗七星やアンタレス

春の大三角形などの星を指し示しつつ、くわしく解説してくれました。

 

ちーちゃんはこの日、その解説とともに本物の鮮やかな星空に触れることで、

宇宙はひろいということ、季節によって見える星がちがうということも、

なんとなくでも感じることができたはずです。