ちいさな洞窟

娘との日々

お店屋さんごっこ

f:id:onkalo:20200428163056j:plain

f:id:onkalo:20200428163004j:plain

f:id:onkalo:20200428162942j:plain

各ページにドングリがかくされていましたね。

 

この写真にある絵本をきっと覚えていると思います。
ほんとうにおもしろい絵本でした。
夕方、幼稚園から帰ってソファのうえで、
あるいは夜、寝るまえの布団のなかで、
何度も、一緒に読みましたね。
 
二子玉川にある蔦屋書店で買ったように思いますが、正直、自信がないです。同じ作者による『あっちゃん~』がおもしろかったので、続編にあたるこの本を棚に見つけ、手に取ってすぐ買ったはずです。ところで『あっちゃん~』もおもしろかったよね。「あっちゃん あがつく あいすくりーむ」というように食べ物が人間のように紙面のうえで遊んでいて、アイウエオなど50音の勉強にもなりました。絵に描かれたタコ焼きや目玉焼きなどが真においしそうなので、ちーちゃんは本から食べ物をすくいとって口にほおばっていましたね! 「くっちゃん くがつく くろわっさん」のクロワッサンも食べました。パン屋工場にいるたくさんのクロワッサンをガブりとほおばりながら、「クロガッサン、おいしいな」と言っていました。あなたが「クロガッサン」という、そのことばの響きは、前にすこし書いた「スタベッキー」と同じく、かわいいことこのうえなかったです。
 
さてこの絵本は「読む」ということだけでなく、さらに広い世界にぼくらをいざなってくれました。
 
この本一冊が商店街に見立てられていて、さまざまな種類のお店が営業しています。その1店1店の店先と店内のようすが、細かなところまで描かれていました。お店を切り盛りしているのは動物たちです。ひとのよさそうなクマはパン屋の店員さん。気の強そうなトラは花屋をきりもりしています。メガネを売るのは温厚なゾウの店員さん。喫茶店のマスターはたてがみが立派なライオンでした。
 
そんなお店を一軒一軒まわって、ちーちゃんはお買い物をたのしみました。ときには、店員さんの役割になって、お客さんに服をおすすめして、売りました。あなたのハキハキとした演技を覚えています。
 
「お客さん、いまチョコパンが焼き立てですよ!」
「うん。それならチョコパンをちょうだい。あとクリームパンとドーナツとクロガッサン…」
「そんなに甘いパンばかりで大丈夫ですか?」
「じゃ、このしょくぱんもくださいな!」
 
そんな感じで、お買い物のロールプレイングをたのしみました。店員さんとお客さんの役割をぼくとあなたとで行ったり来たりしながら、ソファーやふとんのなかでショッピングを体験させてくれるこの絵本。素晴らしい出合いでした。
 
ちーちゃんは現実のお買い物のときに、店員さんを見て、観察しているようでした。たとえば軽く組んだ両手をお腹のまえで交差させ、体をかるく斜めにして「いらっしゃいませ~」「なににしますか?」と本物のウエイトレスのようにセリフやポーズなどを真似して、この絵本を読んでいるときにそれを再現して、演技していたように思います。店員さんに、なり切っていましたね。
 
おままごとのときもそうですが、ちーちゃんの観察するちからは、このお店屋さんごっこのときも、発揮されていました。ちーちゃんの日常における振る舞いがときに大人っぽいのも、その観察力のたまものなのではないでしょうか。