ちいさな洞窟

娘との日々

どこまでも続くアスレチック。

今回は1泊2日の時間をちーちゃんとすごすことができました。土曜日の夕方に駅で会い、まずはホテルに荷物を置き、そのあと街に繰りだしました。ちーちゃんの強い希望で、夕食はさわやかのハンバーグです。この話題のレストランにぼくは初めて行くことができました。1時間ほど待ちましたが、列に並ぶわけではないので、待ち時間はデパートでお店を覗いたりしてすごすことができました。

f:id:onkalo:20220414172619j:plain

ついに来ました。ちーちゃんお気に入りの、ハンバーグのお店。

さわやかに入る前から「絶対にオニオンにしなよー!!」とちーちゃんが大きな声で訴えています。ん、オニオンって? 「デミグラスソースじゃなくて、オニオンソースがおいしいんだよ!」。ハンバーグにかけるソースのことでした。ちーちゃん猛プッシュのオニオンソースは、うん、たしかにおいしかったです。飲み物が出てくると、スタッフの方から「なにかの記念日ですか?」と聞かれたので「2年生に進級したんです」と伝えると、「進級、おめでとう!!」と乾杯の音頭をとってくれました。ちーちゃんはオレンジジュース、ぼくはウーロン茶で盛大に祝杯をあげ、幸せな気分になりました。うれしいサービスでしたね。ちーちゃんは自分で肉をナイフで上手に切りつつ「おいしい~っ」と言いながらパクパクと食べていきます。大人と同じ200グラムのハンバーグを完食です!

 

f:id:onkalo:20220414172556j:plain

 

「タピオカが飲みたいな」「駅のちかくに、いちどお母さんと行ったタピオカ屋さんがあるよ」。とのことで駅の周辺を歩いて探しました。甘えん坊のちーちゃんはぼくがおんぶしています。ぼくの耳元で、でも割と大きな声でちーちゃんが「パーティーピーポーだあ~」。10人ほどの若い人たちが駅前広場でたむろしています。「パーティーピーポー」という言葉を前回、会ったときに説明したら、すっかり覚えてしまったようです(^^;

 

ちーちゃんを背負ったまま、駅の裏にある静かめの商店街を探していると……ありました、タピオカ屋さん。メニューにはたくさんの種類の飲み物が。ちーちゃんは、以前も飲んだという「台湾烏龍ミルクティー」というスタンダードなタピオカティーを注文しました。ぼくが注文したのはチョコレートがたくさん入ったタピオカティーです。「タピオカが売り切れてしまったので、いま作っている。15分くらい待つけどよいか?」とのことで、店内で待つことにしました。やっとできた飲み物を受け取り、店を出ようとちーちゃんを呼ぶと、ちーちゃんはテレビに夢中で、ぼくの声がまったく届いていないようです。何度呼びかけても(韓国の?)ダンスグループが歌っているテレビに見入ってしまっていて、反応がありません。そのようすを見ていた、ちーちゃんの隣にいた女性がちーちゃんの肩をとんとんとたたいてくれて、ちーちゃんはやっと我に返ったのでした。タピオカティーはホテルに戻って飲むことにしました。ちーちゃんはハンバーグでお腹がいっぱいとのことで、つぎの日の朝に飲むことにしました。ホテルに戻って、ぼくのタピオカティーをちーちゃんにあげたとき、濃いチョコレートの味におどろいて、目を大きく見開いたちーちゃん。このときに限らず、ちーちゃんの豊かな表情は、見ているだけでこちらの心が豊かになるようです。

 

部屋ではいつも、いろんなお話しをしています。この夜は、ちーちゃんに、将来、何になりたいかをあらためて聞きました。ちーちゃんは、服を作りたいという希望がつよいようです。「服のデザインを勉強する」と言っていました。続けて、「お年玉は貯金したんだ。東京の大学に行きたいから、お金はその時に使うよ」。大学は東京に出る。以前もそう言っていました。さらに続けて、「だからお父さんは、いまの家を引っ越しちゃだめだよ。ちーちゃんもそこに住むんだから」。そういって伝えてくれたことが、とてもうれしかったです。この話を後日ばぁばに話すと、それまでますます健康に気をつけて「元気に生きなきゃ!」「それにしてもそんな話をしているの? 二年生なのに先を見ているねー」と言っていましたよ。

 

シャワーを浴びているとき、お互いの背中に字を書いて、何の字を書いたかを当てるゲームをしました。ちーちゃんは自分の名前をぼくの背中に書きました。ぼくは「L」「О」と2文字を書いただけですぐ「ラブ!」と当てられてしまいました。もう「LOVE」のスペルを知っているなんて(^^)

 

翌朝、いつものローカル電車に乗って出かけます。何度も乗っている電車ですが、終点の駅まで行くのはこの日が初めて。終点が近づくと、車内は乗客もまばらです。駅前に止まっていたタクシーに飛び乗って、山のほうにある森林アスレチック公園まで行きました。

 

タクシーを降りてから、アスレチックの受付場所が離れていたこともあり、ふたりでしばらくウロウロしてしまいました。道を歩いているファミリーに道を尋ねて、やっとアスレチックの場所がわかるほど、広大な公園です。

 

f:id:onkalo:20220414172547j:plain

 

アスレチックには40コもの遊具がありました。山のなかにこんなに大きなアスレチック場があるなんて! 頑丈そうな木でできた、それぞれチェレンジしがいのありそうな遊具ばかりです。ちーちゃんは、一つひとつ、がんばってクリアしていきました。ぼくも最初は一緒にトライしましたが、わりと初期の段階で脱落してしまいました……。ちーちゃんも徐々に汗の量が多くなっていきました。たいへんだったけれど、楽しかったね。ちーちゃん、とてもがんばりました。たくましくなってすごい、と思いました。足が届かずにクリアできない遊具もけっこうありましたから、もう少し大きくなってからもまた来たいです。

 

f:id:onkalo:20220414172516j:plain

f:id:onkalo:20220414172508j:plain

グルグルと回るアリジゴク。半分の20コほどの遊具をクリアした時点で1時間半ちかく経っています。これでは全部終えると3時間もかかってしまうというので、途中から難しそうなものはスキップしていきました。

f:id:onkalo:20220414172535j:plain

いつも乗り物が良く似合うちーちゃんです。運転もサマになっています(^^)

この日、ぼくがいちばん驚いたのは、ゴーカートです。身長130センチ未満の子どもはひとりでは乗車できませんが、隣に大人が乗れば運転はひとりでできるとのこと。ちゃんとしたハンドル、アクセルとブレーキがあり、スピードもそこそこ出る、まさに「クルマ」です。ちーちゃんは果敢にもこのゴーカートの運転を買ってでました。ぼくはダイジョブかな?とすこし不安もありましたが、実際、ちーちゃんは上手に運転することができました! ハンドルさばきもできているし、アクセルもしっかり踏めています。ぼくがスマホ撮影で目を離したときに、いちど縁石に乗りあげてしまったけれど、すぐ元の道に戻れたので大丈夫でした。運転しているときの動画がありますのでぜひ見てくださいね。

 

f:id:onkalo:20220414172526j:plain

輪投げ。竹馬や小さな子用の竹の乗り物でも遊びました。午後は夏のような日差しでした。

公園から帰りのタクシーを電話で呼ぶと「今日は混んでいて、いま配車できる車がないんですよ。だいぶ待ってもらうことになりそうですが…」「どのくらい待てば来てくれそうですか?」「いやー、ちょっとわからないです」とのこと。ここにはバスもないですし、最寄りの駅まで歩くしかなさそうです。スマホで調べると、徒歩で50分くらいかかってしまいそう……。しかもちーちゃんはアスレチックで全力を出し切ったためすでにフラフラです。でも仕方ないので、歩くことにしました。ちーちゃんを背負って歩き始めました。

f:id:onkalo:20220414172504j:plain

勢いよく石段を登っていきます。

意外に早く山を降りることができ、視界が開けました。目の前に金刀比羅神社(ことひらじんじゃ)の長い石段があります。あとで調べると、階段は172段もあるそうです。ちーちゃんはぼくの背中から飛び降り、元気よく階段をのぼり始めました。おお!? 階段をのぼるんだ? ぼくは後をついていくことにしました。ちーちゃん、元気だなあ。階段を登り切ったところの手水(ちょうず)でふたり手を清め、右手にある神楽殿を眺めました。「『かぐら』ってなに?」との問いかけに「神様のまえで踊るんだよ」などと答えているときに電話が鳴りました。意外にもさきほど電話したタクシー会社からで、いまアスレチック公園に着いたというのです。え、もう着いたの?というか配車してくれていたんだ? 名前も伝えていないのに、とも思いました。公園で電話してからまだ20分かそこらしか経っていません。

 

あとで考えるとすこし不思議な気分になります。神社の石段をぜんぶ登りきったので神さまがタクシーを連れてきてくれたのかもしれませんね(^^) 両脇に常夜灯が並ぶ石段を降り、入り口の鳥居で振り返ってふたり手を合わせました。往きとは違う、若い、無口な運転手さんのタクシーに乗って無事に駅につきました。帰りの電車が出発すると、ちーちゃんはすぐにぼくの膝の上に頭をのせて眠ってしまいました。

 

f:id:onkalo:20220414172453j:plain

 

終点のターミナル駅につくと、ちーちゃんが昨日から目をつけていたポケモン出張所に向かいました。密を避けるために入場が制限されていたため、まず整理券を受け取り、それから約50分後、お店でピカチュウの人形を買うことができました。ちーちゃんはピカチュウを手にして、ほんとうにうれしそうにしています。昨日のさわやか、今日のポケモン出張所と、よく並んだ2日間。並んだ甲斐がありました!(^^)!

 

f:id:onkalo:20220414172444j:plain

クマールのカレーを久しぶりに食べました。うん、この店、この味。居心地がよく、落ち着きますね。ちーちゃんは完食はしましたが、いつもより食べるペースが遅かったようです。聞くと「疲れてると、逆に食べられないんだよ」とのことでした。明日は学校です。今夜はゆっくり寝ましょうね!